本を読むときに、テキストに蛍光ラインや赤線を引いてきました。

でも、引いただけで、そのまま放置されていました。

せっかく、そのときに何かを感じて引いた蛍光ライン・・・

そんな蛍光ラインたちをときどき、ここに書き写して行く事にしました。

29. 『スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡』 林信行 (ASCII)







「海軍に入るくらいなら、海賊になったほうがましだ」


本というよりは、ジョブスの写真集といったほうがよいかもしれない。自分が創業したアップルで、煙たがられ、Lisaの開発プロジェクトからのけ者にされたジョブスが、ジェフ・ラスキンが率いていたMacの開発プロジェクトに首を突っ込み、プロジェクトの方向性を強引に変え、ラスキンも追い出してしまう。少数精鋭のMac開発チームに「われわれは宇宙に衝撃を与えるためにここにいる」と言ってハッパをかけ、「海軍に入るくらいなら、海賊になったほうがましだ」と言って結束力を高め、エンジニアに過酷な要求を課しながらも、画期的なコンピュータMacを誕生させた。「ほとんどの商品プロジェクトは商業的価値で突き動かされている。競合に打ち勝ち、より高い利益を得ることが目的だ。対照的にマッキントッシュの開発は、もっと芸術的な価値で動いていた。飛び抜けて素晴らしく、とにかくスゴい − それが目標だった」「僕たちはマックを誰のためでもない自分自身のためにつくっている。われわれが問題にしたのは、そのマシンが素晴らしいかどうかであって、わざわざ市場調査をしようなどとは思わなかった」は、当時のジョブスの言葉だ。完全にマーケットアウト指向で、頑固なこだわりである。彼は商品ではなくて、芸術作品を作っているつもりだったのだろう。

投稿日:2012-10-13